CTIA代表・手塚からの映画『Winny』公開記念メッセージ

まず、今の日本国にとって優秀な技術者が生まれなくなるという最悪の事態を逃れられたことに安堵した。
自身も10年以上BlockchainやTokenを活用するような技術に関する事業をしているので、規制があることによっての窮屈さを常に感じてきた。
当然だが規制が悪いわけではない。
よくないのは、規制があることによって画期的なアイデアや技術が活用されにくい環境にあるということだと思っている。

例えば暗号資産。
1つ目は税制。現在最大税率55%という世界でも突出して高い税率なので、優秀な投資家や暗号資産事業者は当然のことながら国外へ移住し活動することが多い。海外の投資家や暗号資産事業者が日本に来て活動することは皆無と言って良い。少なくともこの10年間で日本進出して事業をしたいというデベロッパーの話は聞いたことがない。
2つ目は規制。従来の規制に充てて考えるということ自体は正しいと思うが、何年も変えれず据え置きになっていることが問題。マウントゴックスという大きな問題が起きたことで世界でもかなり早く規制に乗り出した日本だったがそこから大した進展もない。海外諸国(マレーシア、エストニア、UAEなど)のように経済特区を作って海外企業を誘致し先進的な取り組みをさせるなど行えれば十分なイニシアチブを握れたはずだが、そういった取り組みもないのが寂しい。

今の日本は、こういった環境から国内の優秀な人材を国外へ追いやり、優秀な海外企業を誘致するにも至らない。この体制を改善すべきという気付きになり得る作品だったと思う。日本人の生真面目さ、勤勉さは世界でも群を抜いて誇れる国民性だと考える。金子氏のようにひたすら没頭し、プログラミングによって純粋無垢に自分を表現する素晴らしいエンジニアを今後も排出し続ける事ができるようになれば世界と対等に戦えると感じている。
作品の中で最も印象的だったのが、金子氏が問題解決のための2行のコードを書き込めないことへの葛藤を描いたシーン。苦しみが非常に良くわかる描写になっていると感じた。日本の技術者の未来のために戦い続けた金子氏の姿が見事に表現できていて、金子氏はもちろん制作関係に関わったすべての方達に尊敬と敬愛の意を表したいと思う。

『Winny』
上映日:2023年3月10日
監督・脚本:松本優作
企画:古橋智史、and pictures
公式サイト:https://winny-movie.com/

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