1月14日(火)、大阪商工会議所主催のミートアップイベント「ブロックチェーンMeetUp in OSAKA」が開催され、同イベントにCTIA CTO・大田が登壇しました。
現在、ブロックチェーン業界はパイプ・サイクルの時期で表すと幻滅期に突入したと言われていますが、ブロックチェーンを活用した新しいビジネスモデルやアイデアは生まれ続け、実用化に向けて着実に前進しています。今回のイベントではテーマの異なる5つのショートプレゼンテーションが繰り広げられ、ゲストスピーカーとしてCTIA CTO・大田も登壇し、「TaaS(Traceability as a Service)がアップデートするサプライチェーンの未来」をテーマに2ヵ国間の貿易事業にTaaSを活用する貿易分散台帳の構想について話しました。
従来の国境を跨いだ二国間での貿易事業は、各社が自社システムを活用して記録しているため、輸出側と輸入側の国の間で記録の整合性が取れず、非効率な管理体制となっていることが問題とされています。また、出荷物の中の原材料に関しても国ごとに規制が異なるため、輸出通関や輸入通関などを通関業者に提出する際に揃える書類も様々です。
ハラール食品の輸出プロセスを例に挙げると、イスラム教では豚由来成分やアルコールなどの飲食料が規制されているため、ムスリム国(イスラム教を信仰する国)が求める手続きに対応することが必要です。一般的に湾岸協力会議(GCC)加盟国に食品が輸入される際には、政府当局が成分表などをもとにハラールかどうかを確認してから輸入の可否を判断します。したがって、認証取得に関らず、輸入が許可され、国内流通しているものは、原則ハラール製品と考えられています。国内のハラール認証機関から認定を受けるだけでも下記に記載した流れで認証を受け取る必要があります。
- ハラール認証の書類提出
- 書類審査
- 工場および製品の監査
- 審議
- 認証取得
私たちが貿易業務において提案しているスキームでは、入出荷それぞれの組織と商社の3組織間でノードを立てて効果検証を行う予定になっており、日本企業から出荷された製品が海外の企業へ入荷されるまでの業務フローを記録・管理します。日本で生産された商品を他国販売店へ流通するまでの流れを分散台帳によって記録し、二国間においての原材料承認プロセスや流通プロセスの確認に活用することで、業務の効率化を図ります。検証目的と方法は下記の通りです。
- 日本で生産された商品を、他国販売店において販売を行い、それらの記録を分散台帳を用いることによっての効果検証を行う。
- 二国間において、流通プロセスにおいての原材料の表記の考え方が違うため、それぞれの国で定義した原材料確認プロセスや取引プロセスを分散台帳に置き換えた場合の効果検証を行う。
- 日本からの出荷、貿易国での受け取り記録、販売店への仕分けを通じて、最終消費者直前までの生産者側の記録を分散台帳において記録を行う。
今後CTIAでは、これらの検証を踏まえたうえで、クライアントの課題に沿った最適なソリューションを提案していきたいと考えています。
本イベントでは、他にもブロックチェーン技術を使用した社内用コミュニケーションツールや、AI、Hyperledgerの使いどころなど、最先端テクノロジーについてのプレゼンテーションが発表されました。イベント後半に設けられたネットワーキングタイムでは、ブロックチェーンについての情報交換や各社の取り組みの紹介などが活発に行われ、ミートアップは賑やかなうちに幕を閉じました。